【試乗記】現代/Hyundai ソナタで400キロのドライブ…今の韓国車に乗ってみた

先週末、旬の海産物を食べようとソウルから韓国東海岸へソウルから往復400km程の1泊ドライブ旅行に行ってきました。クルマは今年7月に義兄が新車購入した現代自動車の中核モデルであるソナタ。トヨタで言えばカムリクラスの中型セダンです。

余談ですが、韓国語で「現代=현대」の発音は”ヒュンダイ”ではなく”ヒョンデ”です。しかし現代自動車の日本法人は自らカタカナでの登記名・呼称を”ヒュンダイ”としています。ローマ字表記では”HYUNDAI”なので当然です。

そもそも、微妙に違う母音子音の種類が多い韓国語をローマ字表記、更にはカタカナ表記するのは無理があり、韓国語圏以外で「現代」を”ヒュンダイ”と発音するのは自然なことです。”SAMSUNG”も同様で、「三星=삼성」の発音は”サムスン”ではなく、韓国語の発音をカタカナで書くなら”サムソン”です。

まあ、NikonやDATSUNが英語圏で”ナイコン”、”ダッツン”と呼ばれている(or いた)図式とはやや違いそうです。

ソナタとカムリをスペックで比較

現行ソナタのスペック・価格をカムリとの比較で整理してみました。カムリのデータは敢えて在韓邦人の視点でトヨタコリアのサイトを参照しました。また、ハイブリッドまで入れるときりが無いので省いています。

※1: ソナタはエンジン、装備などの設定が多々ある内から中の上っぽい現実的なグレードをピックアップしています。
※2: 燃費は日本のJC08モードのようなカタログデータです。
※3: 円ウォンレートは現時点で1:10なのでゼロを一つ取ればざっくりJPY額です。

 ソナタの北米市場向けは2.4リッター4気筒(185ps)がベースモデルですが韓国市場向けだと2リッターN/Aがベースモデル。その2.4リッターにパワーが相当する1.6LダウンサイズターボはDCTと組み合わせており、韓国市場ではスポーティーなグレードとして設定しているようです。

表にして比較してみると、韓国に於ける”外車”であるカムリとはエンジンのスペックがガチンコでぶつからないのは偶然でしょうか。何れにしても、トヨタコリアのカムリが狙うのはソナタより上のグレンジャー or その上のプレミアムクラスでしょう。グレンジャーの2.4リッター・フル装備グレードは3,600万ウォン程度です。

因みに、韓国市場向けのカムリはMade in USAで(恐らくトヨタのケンタッキー工場製)、米韓FTAによる関税の減免措置を活用しアメリカ車として輸入されています。

エクステリア

前置きが長くなりましたが私が乗った実車を紹介します。

ヘッドライトからのクロームのラインは先代ソナタから受け継いだモチーフです。

それにしても、一昔前まではボッさかった韓国車も随分スタイリッシュになったものです。

デイライトLEDランプも付いています。

トランクはHマークの上側、ボディー同色の窪み部分を押すと開きます。

黄砂混じりの雨に降られ汚れていていますがご容赦下さい。

タイアはHANKOOKのKINERGY GTというブランド。サイズは215/55R17でした。

この車には普通のクルーズコントロールでしたが、オプションでスマートクルーズやアクティブセーフティーシステムなども選べます。

インテリア

平凡ながら無難なデザインのインパネ。質感も上々です。中央部はBMWのように運転席向きに角度が付けられています。

あっさりしたメーター周り。見易さに問題は無いものの正直ちょっと安っぽさを感じました。中央の液晶は上級グレードのみカラーで、中間グレードはこんな感じです。これで問題はありませんが。

やや太めのステアリングホイール。冬の寒さが半端ではない韓国では有難いヒーター付き。

AT(6速)はレバーをDから左に入れるとマニュアルシフト可能。ブレーキはオートホールド機能付きで、停車してペダルから足を放してもホールドされ、アクセルペダルに触れるとリリースされます。渋滞時に重宝しました。

オーディオ・ナビ系とエアコン操作パネル。エアコンは左右独立式。温度調整ダイアル下のスイッチはシートのヒーターとベンチレーター(冷気)のもので、夫々3段階に設定できます。

スマホのワイヤレスチャージャー。

ダーク系の木目トリム。勿論樹脂パネルですが安っぽさは感じません。

ステアリングはチルトのみ可能でテレスコピック方向の調整は無し。ステアリングコラム自体はエンジンON/OFFに連動してモーターで上下するのにチルト角度の調整は左下のレバーを下げて手動で行うという、ちょっと謎仕様です。

シートはランバーサポートも含めパワー式で、ポジションは2つメモリー可能。

流石カムリクラスのFF車、前後席共に十分なスペース。身長178の私が位置を合わせた運転席後ろに私が座っても脚を組めます。

レザーシートの感触はややゴワゴワしています。革の感触を楽しむ為ではなく、LCCエアラインのレザーシートのように耐久性のための革張りといった印象でした。

今の時代、このクラスでは当然ながらリアシートにもエアコンの吹き出し口が付いています。

リアシートにも2段階のヒーター付き。オンドルの国だからでしょうか、クラスとグレードの割にヒーター系の装備が充実していると感じます。

トランクの狭さに絶句されるかも知れません。実はこの車、LPG仕様です。

SONATAとエンボスが入ったカバーの奥にLPガスのボンベがドンと鎮座しています。ガソリンと違って圧力が掛っているLPガスはタンク形状に制約があり、こういった部分は割り切りが必要です。

その一方、日本同様に韓国でもLPGはガソリンよりも格段に安く(ガソリン比6割以下)、また、LPGスタンドは韓国全土にあって不自由しません。しかし、ガソリンの税収を確保したい政府の規制のためタクシー業者以外の一般人は一定条件満たさないとLPG車を購入出来ないそうです。

韓国のLPG車事情を書くと長くなりますので説明はこの辺にしておきます。

ガソリンよりもクリーンな燃料と言われるLPG。排ガスはカセットコンロ並に無臭でした。

東海岸へ快適なドライブ

今回通った高速道路は日本の中央道のようにカーブやトンネル、勾配の多いルートでした。

韓国らしい独特の色彩感覚。

高速を降りて通った田舎道。名古屋から飛騨路、富山に抜ける41号線に似た雰囲気で、長閑な道をマイペースで走るのは至福の時間でした。やっぱり運転って楽しいものです。

目的地の江陵(강릉=カンヌン)、束草(속초=ソクチョ)で食べた海産物は絶品。海も綺麗な地方都市した。

乗り心地

フラットのひとこと。かといってフワフワするようなこともなく快適で中型セダンとしては模範的と言えるセッティング。わざと突起やアスファルトの補修部分を踏んでみたりもしたがビシッとくるハーシュネスもしっかり抑えている。路面のザラザラ感やロードノイズも少なく、耐NVHチューニングは円換算で250万程度の車と考えれば秀逸とさえ言える。

操舵感

峠や低速コーナーを通るルートでは無かったので所謂「ハンドリング」を述べることは出来ないし、そもそも中庸なセダン。その上で述べるとすれば…

パワステは重過ぎず軽過ぎずアシスト具合も適切でストレスを感じない。強いて言うなら若干人工的なアシスト感があるような気もするがこれは重箱の隅を突けばのレベル。FF車としてはほぼ文句無し。

ブレーキ

乗り始めた時は踏力・ペダルの踏み込みストロークと制動力のリニア感に若干の違和感を覚えた。踏み始めからじわっと効くタイプでは無く、少し踏み込んだところでパッドがディスクに食い付くのを感じる。勿論、踏めばしっかり効いて停止時の微妙なコントロールも容易。これは好みの次元ですな。

エンジン+トランスミッション

このサイズのボディーに2リッターのエンジン、しかも、LPG仕様はガソリン仕様よりも12ps低い151psながら、高速の長い登り坂でも非力さは感じなかった。馬力ダウンや高回転の伸びが鈍ることはある程度覚悟の上でトルクは確保するというチューニングなのだろう。

AT(ヒュンダイ内製?)も良く出来ている。Dレンジに入れっぱなしだとシフトショックは皆無な上、トルコンのロックアップ制御が巧みなようでマニュアルシフトすると小気味良いダイレクト感でシフトがスパスパ決まって気持ち良い。

しかし、先行き不安な韓国車

以上、ちょっと誉めすぎたかも知れませんが、うちの嫁さんが韓国人だから私が韓国贔屓で書いた訳ではなく純粋に完成度の高いクルマと感じました。

しかし、TNGAプラットフォームを採用し評判の良いカムリはアメリカでの2017年販売ランキングで6位に入っている一方、ソナタは30位。日本勢ではアコードは9位、アルティマは14位に入っています。また、中国市場でのソナタはタクシーのイメージが強く売れ筋では無いようです。

現行ソナタは7代目で2014年の発売、対する現行カムリは2017年の発売。次回モデルチェンジが2019~2020年頃と思われるので7thソナタの苦戦は続くことでしょう。更に、個別モデルの販売台数の多寡よりも韓国自動車メーカーで深刻なのは「貴族労組」と揶揄される異常に強い労働組合による高コスト体質とか…。

良く出来たクルマで出掛けた楽しいドライブの話が、最後は何だか暗い話題に脱線してしまいましたね。すみません。

スポンサーリンク

シェアする