ヘンリー・フォード博物館訪問記③…プロトタイプやレーシングカー

館内の中央部、”Promoting The Automobile”というコーナーに古今のショーモデルを展示しています。展示車は定期的に代えていて、初回訪問時にはファイヤーバードのショーモデルを展示していました。

ショーモデル・プロトタイプ

GM Firebird II(1956年)

当時、GMは販売促進のために全米の各都市を巡るMotoramaという独自のモーターショーを開催しており、その目玉としてコンセプトカーを披露していました。これはその中でも特に突き抜けたショーモデルです。

所謂”センチュリーシリーズ”と呼ばれるジェット戦闘機が次々と登場していた’50年代、そういった航空機への憧憬が強かった時代とは言え、ちょっと幼稚ささえも感じる凄いデザインです。

3度目の訪問時には最近のGMのショーモデルが展示されていました。

しかし、上のファイヤーバードと比べると良くも悪くも夢の無いデザインになっていて、アメリカ自動車メーカーの昨今の状況を象徴しているような気もしました。

Budd XR-400 “Budd Car” (1962年)

Budd社(ネイティヴの発音を聞いていると「バッド」ではなく「バド」が近いようです)という会社は普通の人には殆ど馴染みが無いと思いますが、大物金属加工に強いメーカーで、自動車分野ではサブフレームなどを生産しています。

また、アメリカに多いピカピカのステンレス製の鉄道車両には同社の技術が活かされています。東急車両にも技術供与したことがあるので日本でご存知の方もいらっしゃることでしょう。

このプロトタイプはフォードに売り込みを図ったものの採用されませんでした。後に登場したマスタングが大ヒット作となったので、結果的にフォードの選択は正しかったとは言えます。

Chrysler “Turbine Car”(1964年)

ガスタービンエンジンを積んだ試作車です。私が子供の頃に穴が開くほど熟読していた小学館の自動車図鑑にこの車が載っていて、「未来の車はどんな高性能エンジンになるのだろうか」と胸を熱くしていたものです。実車を見ることができて感動でした。

しかしガスタービンエンジンは低速での効率が悪い、回転数が高い、排気ガスが高温、騒音対策が難しい等、自動車に向かないのはその後も普及していない事実が証明した通りです。

ただ、一定の回転数を維持する状況での熱効率は良く、また、燃料の質にうるさくないといったメリットもあるので、ひょとすると電動化時代を迎え再注目されるかも知れません。

ジェットエンジンの空気取り入れ口を模したライト周りや排気ノズルを模したリアなど、50年前の人達が夢見た未来らしいデザインが素晴らしい。

因みに、’80年代の東京モーターショーにトヨタがタービンエンジンのコンセプトカーを出展していた記憶が有ります。

Mercury Cougar 390(1968年)

Ford Mustang I(1961年)

Ricker Electric Tricycle(1896年)

40Vの鉛バッテリーで駆動する3輪電気自動車で、モーターの出力は僅か1ps。

GM EV1(1996年)

電気自動車と言えばこんなのもありました。GMによって試験的にリース販売されたものです。充電器はノーズに差し込むようになっています。

レーシングカー

Lotus 38

ジム・クラークが1965年のインディ500を制したマシン。

Ford GT Mark IV

フェラーリの買収に失敗したフォードは怒りに燃えて(?)ル・マンに参戦。結果、フェラーリを下して1966~1969年まで4連覇を果たします。このマーク4は1967年の優勝車です。まあ、ジャガーやアストン、ボルボの例を見て分かる通り、フォードに買収されて上手く行った例はほぼ無いのでフェラーリはFIAT傘下に入って良かったですね。

このあたりも華々しい戦果を上げたマシンだと思いますが、アメリカのレースシーンには詳しくないので説明はパスします。

>次は自動車以外の展示を紹介します。

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